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   在宅医療専門

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往診日記DIARY

29.真夏の往診

今年の夏も暑い。柔な在宅医にとっては、少々きつい季節だ。

この時期、身に堪えるのが往診先での気温の差。エアコンをがんがん効かせて布団にくるまっている患者さんもいれば、エアコンどころか扇風機さえ使わない人も。極端な例は一人暮らしや高齢者世帯に多い。「エアコンは身体に悪い」と思い込んでいる人、「電気代がかかる」と使用を控える人。こちらから「熱中症対策にエアコンを上手に利用しましょう」とアドバイスすると、次回から往診のときだけエアコンを入れるという家も意外に多い。エアコンとの付き合い方もいろいろだ。

「郷に入っては郷に従え」。患者さんに合わせるのが在宅医療。大汗をかきながら診察することもあれば、こんな季節に上着が恋しくなることも。患者さんの体調管理も心配だが、下手をすると私たちの方が先に参ってしまう。

もうひとつ悩ましいのがトイレの問題。この時期、患者さんのお宅で出される冷たいお茶やアイスコーヒーは格別に美味しい。ところが、調子に乗っていただいているとやがてトイレを探し求めることになる。そんな時ありがたく感じられるのがコンビニだ。往診に同行する女性スタッフはトイレの借り方が上手い。店員にニコッと一礼してトイレだけ借りてさりげなく車に戻って来る。小心者の私は、その都度198円の麦茶を購入、車の中はあっという間にペットボトルの山ができる。

今年もまだまだ暑い日が続きそう。「暑いですね」という挨拶に始まり、夏祭り、お盆の帰省、高校野球、そして終戦と、この季節ならではの話題に彩られる真夏の往診。身体には堪えるけれど、「日本の夏」を感じられるひとときである。



 画 植田映一 尾道市向島在住

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